松江には美味しいご当地グルメや名物がいっぱい！

松江の名物グルメは、地域の豊かな自然と長い歴史に裏打ちされた魅力にあふれています。代表的な出雲そばは、殻付きのそばの実を石臼でひいて作るため、濃い色と高い香りが特徴です1。宍道湖七珍と呼ばれる7種の魚介類（スズキ、モロゲエビ、ウナギ、アマサギ、シラウオ、コイ、シジミ）を使った料理も、松江の誇る名物です。
 
その他にも、130年以上の歴史を持つ「むし寿司」や、蒸した鯛の身をそぼろ状にして薬味と一緒にご飯にのせて出汁茶漬けにする「鯛めし」など、独特の調理法や食べ方を持つ郷土料理が多いのも特徴です。これらの名物は、地元の人々に愛されるだけでなく、観光客にとっても松江の食文化を体験する貴重な機会となっています。

松江のおすすめ名物8選

江戸時代から愛される伝統の味「出雲そば」

出典；PIXTA

出雲そばは、松江を代表する名物グルメで、その起源は江戸時代初期に松平直政が信州から蕎麦の種と技術を持ち込んだことに始まります。特徴的な「挽きぐるみ」製法では、殻付きのそばの実をそのまま石臼で挽くため、色が濃く香りが高いのが特徴です。また、「割子そば」と「釜揚げそば」という独特の食べ方があり、栄養価もビタミンB群やミネラル、ルチンが豊富です。出雲そばは、地元や観光客に愛され、日本三大そばの一つとして松江の誇りとなっています。

宍道湖が育んだ絶品の恵み「宍道湖産大和しじみ」

出典；PIXTA

宍道湖産大和しじみは、松江の名物として広く知られ、淡水と海水が混ざり合う日本最大の汽水湖である宍道湖の独特な環境で育つため、大きくて肉厚で旨味が凝縮されています。その栄養価の高さも魅力で、オルニチンやタウリンといったアミノ酸が豊富で、肝臓の働きを助け、疲労回復や二日酔い防止にも効果的です。「しじみ汁」や「しじみご飯」など、様々な料理に活用され、日本一の漁獲量を誇る「宍道湖しじみ」ブランドとしても有名です。松江の食文化を代表する大和しじみは、地元住民だけでなく観光客にも愛される松江の自然の恵みです。

地元の味が詰まった温かい一品「松江おでん」

出典；PIXTA

松江おでんは、地元の食材と独自の調理法が融合した温かい郷土料理で、地元産の黒田セリや春菊といった葉物や、あごだしや鶏ガラの出汁を使用するのが特徴です。大皿で提供され、みんなで取り分けて楽しむスタイルが一般的で、宍道湖のしじみや地元の海産物を使ったつくね団子などもよく使われます。松江おでんの起源は江戸時代にまでさかのぼり、松平不昧公が京都から持ち帰ったとされています。現在では、松江は人口比でおでん屋の数が日本トップクラスを誇り、観光客にも人気の名物料理です。

松江の技が光る上品な郷土料理「むし寿司」

松江の「むし寿司」は、130年以上の歴史を持つ郷土料理で、具材を乗せた酢飯を蒸し器で温めて作るのが特徴です。宍道湖産のシラウオやアナゴ、地元の海産物、錦糸卵や椎茸などが彩りよく盛り付けられ、温かい酢飯と冷たい具材のコントラストが楽しめます。冬の風物詩として親しまれ、お土産としても人気が高いこの料理は、老舗店「浪花寿司」が明治20年頃に考案したとされ、松江の「城下町グルメ」として上品な味わいと見た目の美しさが特徴です。むし寿司は、松江の食文化と職人技を体現する料理で、観光客にとっても地元の味を堪能できる貴重な体験となっています。

日本海の幸を贅沢に味わう「鯛めし」

出典；PIXTA

松江の「鯛めし」は、日本海の新鮮な真鯛を贅沢に使用した郷土料理で、独特の調理法と食べ方が特徴です。蒸した鯛の身をそぼろ状にし、ゆで卵の白身や卵黄の裏ごし、ワサビ、大根おろし、ネギなどの薬味を熱々のご飯にのせて食べるスタイルで、特製の出汁をかけてお茶漬け風にも楽しめます。松江の醤油を使った特製だしが味の決め手となり、老舗旅館「皆美館」の「庭園茶寮 みな美」が特に有名です。鯛の旨味と薬味の香りが絶妙に調和するこの鯛めしは、松江の豊かな食文化と日本海の恵みを感じられる一品で、観光客にとっても松江の味覚を堪能できる特別な体験となっています。

島根の海の香りが広がる珍味「あご野焼き」

出典；PIXTA

「あご野焼き」は、島根県の特産品であるトビウオ（地元では「あご」と呼ばれる）を使用した伝統的な焼きかまぼこで、出雲地方の名産品として知られています。新鮮なトビウオのすり身に地酒や塩、甜菜糖で味を調え、炭火で丁寧に焼き上げることで香ばしさと旨味が凝縮されるのが特徴です。酒の肴として人気があり、オーブンで焼くとさらに美味しく楽しめます。その製法は1727年（享保十二年）から続き、島根県産の炭を使うなど地元の食文化を反映しています。特にトビウオの旬である6月から7月にかけて最高の味わいが楽しめ、島根の海の恵みを感じられる珍味として地元の人々や観光客に愛されています。

松江の屋台文化が生んだ庶民の味「赤天」

赤天（あかてん）は、島根県浜田市発祥の庶民的な練り物で、松江市でも人気の名物となっています。戦後の食糧難時代に魚肉ソーセージに対抗する商品として開発され、赤唐辛子を混ぜた魚のすり身にパン粉をつけて揚げたもので、ピリッとした辛さとサクサクとした食感が特徴です。その赤い色が食欲をそそり、ビールのおつまみとしても人気です。1987年のテレビ番組で「赤てん」という名前が広まり、現在では浜田市のソウルフードとして知られ、松江市でも観光客に人気のお土産となっています。2015年には日本ギフト大賞で島根県賞を受賞し、オーブンで焼いてマヨネーズを添えるとさらに美味しく楽しめます。松江の土産物店や島根県物産観光館でも手軽に購入でき、地元の食文化の一端を担う存在です。

洋食の歴史を感じる松江の名物「カツライス」

出典；PIXTA

松江のカツライスは、昭和初期に誕生した地域独特の洋食メニューで、ご飯の上にトンカツを載せ、デミグラスソースをかけた一皿です。昭和7年（1932年）頃に松江市片原町の「西洋軒」で提供されたのが起源とされ、その後、地域の洋食店や喫茶店に広まり、松江のソウルフードとして定着しました。現在では約40店舗で提供され、地元の人々だけでなく観光客にも人気があります。ワンプレートで提供され、フォークを使って食べるスタイルが特徴で、昭和の洋食文化を今に伝える貴重な郷土料理です。

松江の名物を求めて旅に出よう！

松江は豊かな食文化と歴史を持つ街で、多彩な名物や特産品が楽しめます。和菓子の「若草」や「どじょう掬いまんじゅう」は、松江の伝統と技が詰まった逸品です。「出雲そば」は地元の名物として欠かせません。「宍道湖しじみ」や「あご野焼き」は、地元の自然の恵みを活かした郷土料理です。「ぼてぼて茶」は松江独特のお茶文化を体験できます。「縁結びスイーツ」は、出雲大社の縁結びにちなんだ可愛らしいお土産です。これらの名物は、松江の魅力を凝縮した味わいと文化を伝えてくれます。松江を訪れた際は、ぜひこれらの名物を堪能し、地元の味と伝統を楽しんでください。